最近、義父がパン作りにはまり、毎週のように手作りパンをくれる。
これが、なんともおいしい。
私はできたてのパンをトーストして、バターたっぷりで食べる。実にシンプルで。そのほうが味がよいのだ。
トーストを食べる時に私は若いころに読んだスタインベックの短編「朝食」を思い出す。
たまたま、翻訳しているサイトを見つけた
これがなんとも言えず、うまそう・・・だった。別に腹が減っていたわけではないのに・・・小説の底力を感じた一瞬だった。
貧しい農業作業者たちの何気ない朝の風景。本当に腹が減っている時に振る舞われる朝食。を想像するわけだ。
今でも思うが、本当に美味いビールを飲んでいるのは肉体労働者だ。
一日汗をかき、カラカラになった喉に流し込むビールは・・・一杯500円だとしても、事務職をしている人と肉体労働者では・・・100倍うまさが違うだろう。
値段と価値は人により違うということ。
また、人に振る舞う、心というか・・・それがまた味を変化させる。
妻は最初のうち、父親の作ったパンがおいしくない。と食べなかったが、私がおいしいおいしいと食べているのを見て、少しつまんでみたところ・・・あれっ前と違う、、、おいしい、おいしくなったと言うようになった。
それはね・・・おいしいものを食べてもらおう。という気持ちが少しずつ味を変化させる。ということだよ。と説明した。
摩訶不思議な心という、しろもの・・・。