「毎日、社員が書類や荷物を届けている」「本社と支店の間を決まった時間に車で往復している」。こうした社内便は当たり前の業務になりがちですが、人件費や車両費まで含めて計算すると、意外に大きなコストが発生していることがあります。
そこで検討したいのが、社内便の外注です。
では、社内便をバイク便や軽貨物などへ外注すると、実際にいくら削減できるのでしょうか。今回は、その計算方法を具体例とともに解説します。
社内便のコストは「人件費」だけではない
まず確認したいのが、現在の社内便にいくらかかっているかです。
社内便を自社で運用する場合、主に次の費用が発生します。
- 配送を担当する社員の人件費
- 社会保険料などの会社負担分
- 車両購入費・リース料
- ガソリン代
- 駐車場代
- 自動車保険料
- 車検・税金
- タイヤやオイルなどの整備費
- 配送管理や手配にかかる間接人件費
特に見落とされやすいのが「社員が配送している時間」です。
営業担当者や事務担当者が1時間かけて書類を届けた場合、配送費を0円と考えることはできません。その1時間分の人件費と、本来行うはずだった業務を止めることによる機会損失が発生しているからです。
社内便の費用を計算してみる
例えば、社員1人が社用車を使って、毎日3時間の社内便業務を行っているとします。
社員の実質的な人件費を1時間3,000円とすると、
3,000円 × 3時間 × 20日 = 月18万円
年間では、
18万円 × 12か月 = 216万円
になります。
さらに車両関係の費用が月8万円かかっているとすると、
18万円+8万円=月26万円
年間では、
26万円 × 12か月=312万円
です。
つまり「社員が社用車で荷物を運んでいるだけ」に見えても、実際には年間300万円を超えるコストが発生している可能性があります。
外注した場合はいくらになる?
次に、同じ配送業務をバイク便や軽貨物便などへ外注した場合を考えてみましょう。
例えば外注費が、
1日10,000円 × 月20日
だった場合、
月額20万円
年間では、
240万円
です。
先ほどの自社配送コストが年間312万円なら、
312万円-240万円=72万円
となり、年間約72万円のコスト削減になります。
削減率は、
72万円 ÷ 312万円 × 100 = 約23%
です。
つまり、このケースでは社内便を外注することで、年間の配送関連コストを約23%削減できる計算になります。
社内便外注の削減額を計算する公式
自社でも簡単に試算できます。
年間削減額 = 現在の社内便年間コスト - 外注した場合の年間費用
現在の社内便コストについては、
人件費+車両費+燃料費+駐車場代+保険料+整備費+その他管理費
まで含めて計算することがポイントです。
例えば、
現在の年間コスト:500万円
外注後の年間コスト:350万円
なら、
500万円-350万円=年間150万円削減
削減率は、
150万円÷500万円×100=30%
となります。
「全部外注」だけが正解ではない
社内便の見直しでは、必ずしもすべてを外注する必要はありません。
例えば、毎日決まった時間に大量の荷物を運ぶ区間は定期便を利用し、突発的な書類配送はバイク便、荷物が大きい場合は軽貨物便を利用する方法があります。
さらに、「午前便・午後便」と配送時間をまとめれば、配送回数そのものを減らせる可能性があります。
つまり、
定期便+バイク便+軽貨物便
を配送内容によって使い分ける方法です。
特に都市部では、書類や小型荷物の緊急配送については、社員が自動車で往復するよりもバイク便へ外注した方が合理的なケースがあります。
外注化で重要なのは「社員の時間」
社内便を外注する最大のメリットは、単純な配送費削減だけではありません。
例えば、営業社員が毎日1時間配送している会社であれば、その1時間を営業活動に戻すことができます。
20営業日なら月20時間、年間では240時間です。
社員10人が同じような配送業務をしていれば、
240時間 × 10人=年間2,400時間
もの時間になります。
この時間を本来の営業、企画、顧客対応などに振り向けられることも、社内便外注化の大きな効果です。
社内便は「1個いくら」ではなく「年間総額」で比較する
社内便を外注するとき、「バイク便を頼むと1回数千円かかる。それなら社員に届けてもらった方が安い」と考えてしまいがちです。
しかし、本当に比較すべきなのは1回の配送料金ではありません。
社員が配送に使っている時間はいくらか。
車両維持費はいくらか。
配送管理に何時間使っているか。
年間では総額いくらになっているか。
ここまで計算して初めて、自社配送と外注の正確な比較ができます。
社内便を運用している企業は、一度、
「配送に年間いくら使っているのか?」
を計算してみてはいかがでしょうか。
バイク便、定期便、軽貨物便などを組み合わせることで、配送コストを削減しながら、社員を本来の業務に集中させられる可能性があります。
社内便の外注化は、配送費を減らすだけではなく、「社員の時間を買い戻す」ための業務改善でもあるのです。

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