昨日、娘の引っ越し先を内見してきた。そこを管理している不動産の若い営業さんが
「私も一歳の娘がいるのですが、親御さんとして、引っ越しや独立についてどのような感じなんですか？」
との質問を受けた。
いや、世間話的な感じと、今の彼からすると想像ができない。あまりにも今が可愛いので独立や結婚は許せない。
とか、そういうニュアンス。
妻はあーだこーだ熱弁していたが、私はほぼ沈黙した。
それは彼がこれから知るであろう、たくさんの体験や娘さんの成長の邪魔をしないためである。
人間てなんでも知りたくなる。知的好奇心はすばらしいの一語だが、自ら体験して事実からのみ得られる考え方というものがある。
それは読書とか他人から聞き及んだ内容とも違う。
28歳の彼が今思う、一歳の娘に思うこと。
そして、そこから27年たって、自分が得た人生経験と見守り成長してきた娘さんと、すべての前提条件が変わっている。だから言えることがある。何かのコマーシャルじゃないが「そのうちわかるよー」と心の中でつぶやく感じだった。
そういうのは聞いた話より自分で体験したほうがいい。
世の中なんでも情報を手に入れることができるものだが、勉強しすぎるのも考えもの。
知らないことを一つ一つ体験して、酸いも甘いもかみ分けてきた人間のほうが深みがあり自信につながる。
知らないことは素晴らしい。誰も人の知る喜びを奪ってはいけませんね。簡単に教えてはいけません。
そう思うのですよ。
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